スマホを盗まれました

タイトル詐欺っぽいので先に結論ですが、現在私のスマホは無事に手元にあります。よかったね、めでたしめでたし。

さて。本題もオチもわかった話をどう面白い文章にしていくんだという話なんですが、クソ長ツイートだと思ってサーっと読んでください。

 

今日、私は母と某ショッピングパークに行ってきました。それぞれ好きな店を回った後、最後にLINEギフトで100円で手に入れたゴディバの1000円ギフト券を使うためにゴディバ前に集合しよう、と打ち合わせて母と解散。私はモール内を最近買った少しヒールの高い靴でカツカツ言わせながら満足するまで巡り、良さげなジーンズを一本買いました。しかし、店を出て時計を見ると集合時間までにはまだ少し余裕があります。歩き回って足も疲れたので、少し早かったのですがゴディバ前まで行き、近くにあったソファの様な椅子で休憩する事にしました。

 

二つ隣の席には、明らかに連れの買い物に飽きて足を休めに来ました、というなりのおっさんが座っていましたが、まあそんなおっさんに興味はないので私はソファ椅子でおまえらのツイートを遡り、適当に時間を潰します。すると少し経って母から「今からゴディバ行くよ」というLINE、遠くに見える母の姿。私はスマホ上着のポケットにしまって、母とゴディバに向かいました。

 

あやね家に献上したのと同じクッキーを購入し、ホクホクと退店。ゴディバは2階なのですが、少し3階に用があったのでエスカレーターに乗り3階に移動。動く階段を降り3歩ほど足を進め、一日に5億回やる自然な流れで上着のポケットに手を突っ込みスマホを取り出......スマホ.......あれっ......ない!?

 

いや、まだ慌てるのには早い。鞄を見たか?ズボンのポケットじゃないか?これからの季節は服に収納場所が増えてスマホを無くしがちだからな、慌てるな。冷静を装う私の脳内が一瞬で様々な事を考える中で、一つの最強解決方法を見つけます。AppleWatch。こいつは近くに自分のスマホがない時は赤いエラーマークが付くので、これを見れば一発です。気持ち的には恐る恐る、でも焦った心臓に合わせて素早く腕をまくると、そこには赤く光る林檎時計。終わった。

 

だがしかし。この時にも私は冷静でした。だってついさっきソファ椅子でスマホを見ていたんだから、落としたのを探すにしても本当に小範囲で済むはず。踵を返して、まずはゴディバ店内で店員さんに落とし物を聞く事にしました。エスカレーターを降りてゴディバ店内に着くと、あれ?アップルウォッチに緑の通知が!緑は近くにスマホあるよ表示なので、これは勝ち。なんだあここで落としたのか。私は勝利を確信した顔で店員さんに「スマホの落とし物ありませんでしたか?」と聞きました。さっきの今だし、すぐに「あ、ありましたよ」と言われて一件落着だろう。しかし、店員さんは何やら困った顔のまま、一向に奥にスマホを取りにいきません。「すみません、なんの落とし物ですか?」「あ、えっと、スマートフォンの......」「うーん、ちょっと今日はそういった報告は受けていないですね」「あー......なるほど、すみません。ありがとうございます」

 

やばい、そろそろやばい気がしてきた。もう一度時計を見ると、今度は赤表示。あれ???なんだよ、さっきの態度は思わせぶりか???というか、こちらが動いていないのに表示が変わるということは、スマホ側が動いているということ.........あれ、もしかして、盗まれた?

 

いやいやまさかそんな。とにかく総合案内所に行こう。落とし物として届けられる途中だから動いているのかも。私はそう楽観的に言い聞かせて店を出ましたが、その様子をずっと隣で見ていた母が「あの白い服を来た女の人、怪しい」と、だいぶ遠くでショコリキサー(ゴディバで売ってるうまそうな飲み物)を飲んでいる女を指差して言いました。え、何どうした?怪しいってどういうこと?私が混乱した頭で聞くと、どうやらその女は、私たちが買い物し終えた頃に店に入ってきて、私が落とし物を探しに戻ってきたくらいで店を出て行ったらしいのです。私は気が動転していて他の客まで見ていなかったけど、さすが母。もうその目は女を追う気満々。スリを確信している様子。しかし、なんだかんだ日本人の優しさみたいなのを過信している私は「いや、でも流石にないでしょ。とりあえず総合案内所行こう」。はあ、まじでアホ。

 

店近くの例のソファ椅子周辺ももちろん確認しつつ総合案内所に行くと、綺麗なお姉さんが待っています。こんなにこの方達が頼もしく見える瞬間は何か無くした時よな。でも、やっぱりそこにスマホは届いておらず、お姉さんは丁寧に私のスマホ情報をメモして遺失物届を書いてくれ、見つかった時には母のスマホに電話が来る様にしてくれました。(「スマホケースの特徴はありますか?」「えっと背面が透明で」「何か挟んだりしていますか?」「あ、えっと、服のタグを挟んでます......」「服のタグ?ですね、かしこまりました」「ありがとうございます......」)

 

さて、ここからはもうどうすることもできません。一度性善説に甘えた私は、とっくに見失った白い服の女を追うこともできず。そもそもどこかに落ちているのか、誰かが落とし物として届け出してくれる途中なのか、盗まれたのか、それさえもわかりません。唯一の希望は、スマホが近くにあったらアップルウォッチに緑の通知が来る、という事。盗まれていたらもう建物内にはないかもしれないけど、これしかない。私は腕を凝視しながら、モール内をひたすら走りました。

 

しかし数十分後。私は呆れた様子の母の隣で膝に手をついて、ぜえはあしていました。私以外の全人類がこの方法の絶望さに気づいていますよね。無理すぎ。もう大人しく家に帰って電話を待つか、と諦めかけたその時。母が口を開きました。

「Zenlyだと、まだここら辺にいそうだよ」

Zenly!!!!!!!!お前!!!!!!!!!愛してるよ!!!!!!!!!!!!

 

そうです。私はあのクソ重束縛アプリを親とも共有しているので、母のスマホから私のスマホ位置がわかるのです。なんで今まで気づかなかったんだ?やはり母はさすが。というか冷静さを失った頭は怖い。しかもZenlyくんによると私のスマホは50分近く動いていない様子。正確な位置情報は結構ガバいのであてにならないにしても、動いてるか静止してるかは結構正確なはず。あれ。でも、もし落として放置されているならあの小範囲しかありえないのに、あの場所には絶対に落ちていなかった。なら盗んだ奴がずっと同じ場所に滞在している?

母「美容院、マッサージ屋、靴修理。飲食店は薄いかな、アイツはショコリキサーを飲んでいた」

私「なんなんアンタ、探偵!?」

正直私はこの時点でも盗難を信じ切れていなかったけど、あまりにも母がその可能性以外を捨てていたので、私たちはモール内の怪しい店の前を巡りました。アップルウォッチのもう一つの機能で、近くにあればスマホから音を鳴らせる、というのがあるのでその音鳴らしボタンを連打しながらひたすら走る。お忘れかもしれませんが、私は今日ヒールを履いています。そろそろ足も限界。しかしここで更なる悲劇。

母「あ、ゆりのスマホ動いたよ!!!」

動いた!?!?!?!!?それはやばい流石にやばい!!!もう誰かが持っている事が確定したなら、性善説脳をかなぐり捨てるしかない!!!私は母のスマホを引っ掴んでヒールをガツガツいわせながらモール内を全力で駆け抜けました。Zenlyのガバ位置情報も信じるしかない、どこだ、どこにいる!?!?!

Zenlyくん「駐車場やで」

それはまずい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!もう無理かも!!!!!車に乗られたら勝ち目なさすぎる!!!!!でも、立ち止まるわけにはいきません。若者のスマホ依存は凄まじいのです。というか今更述べますが、ロックがかかっているとはいえカード情報も各パスワードも大切な人たちの個人情報まで、なんでも入っているスマホなのです。か弱い声で悪態をついている母を置いて、私は朝の駅ダッシュより本気のダッシュをしました。

 

しかしZenlyくんのざっくり位置情報はあまりにもあてになりません。こちらがいくら走ろうと、私のかわいい幼少期アイコンには全く近づかない。というかよく見ると私のスマホ移動スピードは平均して約4kmで、車ではなさそう。じゃあ追いつかせてくれ、というか私の(母のスマホの)位置全然動かん、何?とキレそうになっていると、ようやく私のアイコンがまた止まりました。しかも今度は建物内。私はだいぶ後ろをヘトヘトになりながら歩いてきている母を回収して、また建物内に戻ろうとしたその時!

アップルウォッチくん「スマホ近くにいるやで!」

Apple Watch〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!私の指は音鳴らしボタンを連打します。しかし、

アップルウォッチくん「ごめん見失ったわ」

Apple Watchくん!!!!!!!!!!!!!(ポのオタクくん!のテンションで)

いや、このチェイスのくだり長すぎん?もう描くの飽きたわ、やめよ。とにかくこの後また走ったりなんだりして、数分後。母のスマホに電話が来ました。かけてきたのは総合案内所。スマホが見つかりました。ミッションクリアです。

 

汗だくだく膝カクカクで総合案内所に戻ると、警備のおじさんが私のスマホを鍵付きポーチに保管して待っていてくれました。身分証明書を出して「背面には服のタグが入っています」という確認をもう一度して、無事なんの傷もついていないロック解除された様子もないスマホを受け取りました。そして最後に、一番気になる事を聞いてみました。

私「あの、これどこで見つかりましたか?」

警備員さん「駐車場に行く道の途中のカート置き場にありました」

 

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後から行って写真を撮ってきたんですが、私が駐車場に向かう時に通ったのと同じ道のカート置き場でした。ここを通った時は緑の通知が来なかったから、少なくともその後に置かれたんでしょうね。というかここで発見されたということは確実に誰かがここに運んでるじゃん、ガチで盗まれてるじゃん。ふざけんなよクソが。

 

結局どこで誰に盗まれたのかはわかりません。やはり母の言っていた白い女なのか。それとも、ソファ椅子で上着にしまったはずが落としていて、二つ隣にいたおっさんが奪ったのか。どちらにせよ、若者のiPhoneなんてほぼ100%ロックがかかっていて、それが解けない以上なんの価値もないのはわかりきったことでしょうが。諦めてあんなところに放置するなら最初から盗むな。クソー。でも私の注意不足というのも間違い無く原因の一つなので、怒りきれません。今後は気をつけます。とりあえず、アップルウォッチから遠くにあるスマホを鳴らす方法もあるらしい事がわかったので、次回からはそれを活用しようと思います。次回なんて無いに越したことはないですが。

 

最後に散々振り回した母に何か奢ろうかとしたのですが断られ、二人フードコートでうどんをすすったのですが、つゆをぶちまけました。本当に今日はついてない。

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こんなに長いブログに付き合っていただきありがとうございました。

 

 

追記

家に帰ってからコンタクト液の入ったケースもひっくり返しました。厄日です。